備えのガイド › 山やがけ、小さな沢の近くに住む家庭

土砂災害から逃げる 警戒区域の調べ方と、避難のタイミング

土砂災害警戒区域は全国に72万か所あります。自分の家が入っているかの調べ方、がけ崩れ・土石流・地すべりの前兆現象、レベル3とレベル4で何をするか、避難できないときの次善の策をまとめます。

この記事の内容(8項目)
  1. 全国に72万か所
  2. 3つの種類
  3. まず、自分の家が区域内かを調べる
  4. 逃げるタイミング
  5. どこへ逃げるか
  6. 前兆現象 — 見たらすぐ逃げる
  7. 雨が降る前にやっておくこと
  8. まず今日やること

全国に72万か所

土砂災害警戒区域は、土砂災害防止法にもとづいて都道府県が指定する区域です。国土交通省の集計(2026年6月30日時点)では、全国に721,014か所あります。

種類 区域数 うち土砂災害特別警戒区域
急傾斜地の崩壊(がけ崩れ) 482,534 459,201
土石流 222,068 162,085
地滑り 16,412 1
合計 721,014 621,287

土砂災害防止法は、土砂災害のおそれのある区域について、危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進といった対策を進めるための法律です。区域に指定されていること自体が、「ここは危ない」と国と都道府県が知らせている状態だと考えてください。

そして大事なのは、区域の外でも起きることです。国土交通省も、警戒区域等でない区域でも土砂災害が発生する場合があるとして、「付近に『がけ地』や『小さな沢』などがあれば注意してください」としています。

3つの種類

種類 どう起きるか
がけ崩れ 斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震などでゆるみ、突然崩れ落ちる。前ぶれから崩れるまでが短い
土石流 山腹や川底の石や土砂が、長雨や集中豪雨によって一気に下流へ押し流される。谷の出口で氾濫し、家屋や道路を壊す
地すべり 斜面の一部または全部が、地下水の影響と重力によってゆっくり斜面の下方へ移動する。1日に数ミリのこともあれば、突然数メートル動くこともある

まず、自分の家が区域内かを調べる

  1. 住所でハザード確認 — 住所を入れると、土砂災害警戒区域に入っているかと、近くの避難場所が地図で見られます。
  2. ハザードマップポータルサイト — 国土交通省の地図で、全国の土砂災害警戒区域を重ねて見られます。
  3. 市区町村のハザードマップ — 紙で配られているものが、いちばん詳しい場合があります。

調べるのは自宅だけではありません。子どもの学校と通学路、職場、通勤の道も見てください。土砂災害は、家にいるときだけ起きるわけではありません。

逃げるタイミング

2026年5月29日から、気象庁の情報の名前に警戒レベルが付きました。土砂災害の情報は4段階です。

情報 相当するレベル とる行動
レベル2土砂災害注意報 レベル2 避難場所と避難経路を確認する
レベル3土砂災害警報 レベル3 高齢者や、避難に時間がかかる人は避難する
レベル4土砂災害危険警報 レベル4 危険な場所から全員避難する
レベル5土砂災害特別警報 レベル5 すでに命の危険が迫っている。命を守る行動

レベル4土砂災害危険警報は、2026年5月28日までの「土砂災害警戒情報」にあたる情報です。都道府県と気象庁が共同で、市町村単位で発表します。これが出たら、土砂災害警戒区域にいる人は直ちに避難します。

市町村の避難情報を待たずに、自分のいる場所の危険度をキキクルで見ることもできます。色は10分ごとに更新され、**紫がレベル4相当(危険)、黒がレベル5相当(災害切迫)**です。紫になったときには、もう避難を終えている状態が理想です。

避難のタイミング。レベル3で高齢者等が避難を始め、レベル4までに全員が避難を終える。レベル5は安全な避難ができない状態。 安全に避難できる時間 もう安全には 避難できない 時間 レベル2 避難先を確認 レベル3 高齢者等は避難 レベル4 ここまでに 全員が避難を終える レベル5 レベル5は「間に合わなかった」という意味 発令されるとは限らず、この行動をとっても身の安全を確保できるとは限らない
避難のタイミング(内閣府「避難情報に関するガイドライン」令和8年3月をもとに作成)

警戒レベルそのものの意味は警戒レベルにまとめています。

どこへ逃げるか

国土交通省は、避難の方法をはっきり示しています。

土砂災害警戒区域の内から外への避難しましょう。自宅外に避難できない場合は、高層階への移動を(次善の策)

原則は、区域の外に出ることです。指定された避難所でなくても、区域の外にある親戚や知人の家、ホテルでもかまいません。

そのうえで、すでに雨風が強く外に出るほうが危ないときは、次善の策として建物の上の階へ移ります。このとき、がけや沢と反対側の部屋を選びます。がけ側の1階は、土砂が入ってくる場所です。

避難先と、そこへ向かう道は、雨が降る前に決めておきます。わが家の避難計画シートに書き込めます。

前兆現象 — 見たらすぐ逃げる

国土交通省の検討会がまとめた、土砂災害が起きる前の現象です。

がけ崩れ

土石流

地すべり

ただし、同じ資料はこう注意しています。「上記は一般的な前兆現象です。すべての場所において必ず起きるというものではありません」。 前兆を待ってから動くのではなく、前兆に気づいたらもう手遅れに近いと考えてください。避難の判断は、警戒レベルとキキクルで先にします。前兆は、最後の合図です。

気づいたときは、市町村役場や消防に連絡したうえで、自分と近所の人がすぐ避難します。

雨が降る前にやっておくこと

大雨・台風そのものへの備えは台風・大雨の前日にやること、川の氾濫や浸水については洪水・浸水から逃げるにまとめています。

まず今日やること

  1. 住所でハザード確認で、自宅と子どもの学校が土砂災害警戒区域に入っているか見る。
  2. 区域の外にある避難先を決めて、家族で共有する。
  3. スマホのホーム画面にキキクルを置く。雨の夜に探さなくて済みます。
出典・参考
最終更新: 2026-09-21