試合の日は、数千人から数万人が同じ時間に同じ場所へ集まり、同じ時間に帰ります。そこで大きな地震や大雨が起きると、電車が止まり、会場やその近くで何時間も待つことになります。
観戦のかばんに少し足しておくだけで、その時間がずいぶん楽になります。ここでは、国と自治体が外出中の人に向けて挙げている持ち物をもとに、観戦の日に合う形で整理しました。
競技を問わず持っていくもの
内閣府は、帰れなくなったときに備えて「普段からペットボトル、携帯電話の予備バッテリー、充電器、携帯ラジオなどを持ち歩きましょう」と呼びかけています。歩いて帰るときの持ち物の例には、次のものを挙げています。
| 持ち物 | 観戦の日の使いみち |
|---|---|
| 飲み物(ペットボトルか水筒) | 待つ間と、歩いて帰る間の分。試合中に飲み切らず、1本残しておく |
| モバイルバッテリーと充電ケーブル | 電子チケット、家族への連絡、運行情報。スマホの電池が切れると全部止まる |
| 小さな食べ物(あめ、チョコレートなど) | 売店が閉まったあとの分 |
| 携帯トイレ | 断水でトイレが使えないとき、帰り道で |
| 携帯ラジオ | 回線が混んでスマホがつながらないとき |
| 小さなライト | 夜の試合のあとの停電に。スマホの電池を使わずに済む |
| 保温シート(アルミブランケット) | 夜に屋外や床の上で待つとき |
| 歩きやすい靴 | 履いて行く。歩いて帰ることになっても困らない |
このほかに、次の3つを足しておくと安心です。
- いつも飲んでいる薬。 東京都は、帰れなくなったときに備えて、常用の薬を数日分余分に持ち歩くよう勧めています。
- 家族との連絡の決めごと。 電話がつながらないときにどうするか(災害用伝言ダイヤル、決めておいた場所で待つ、など)を、出かける前に決めておきます。連絡の取り方は安否確認の方法にまとめています。
- 紙に書いた連絡先。 スマホの電池が切れても、電話番号がわかるようにしておきます。
持ち物は、背負えるかばんか肩にかけられるかばんに入れて、両手を空けておきます。
屋外の観戦で足すもの
サッカーのスタジアムと屋外の球場では、雨・暑さ・寒さ・雷への備えを足します。
- 雨具は、着るもの(レインポンチョなど)を。 席で傘を差すと、後ろの人から試合が見えなくなります。着る雨具なら両手も空きます。傘の扱いは会場ごとにちがうので、行く前に公式サイトの案内を確かめてください。
- 暑い日は、帽子と飲み物、冷たいタオル。 厚生労働省は、屋外では日傘や帽子を使うこと、日陰でこまめに休むこと、のどが渇いていなくてもこまめに水分をとることを勧めています。保冷剤や冷たいタオルで体を冷やすことも挙げています。競技場では、医務室の場所も先に確かめておくよう勧めています。
- 会場までの道は、日傘を。 環境省の測定では、日傘を差すと暑さ指数(WBGT)が日なたより1〜3℃ほど下がりました。席では使いにくいので、駅からの道や入場を待つ列で使います。
- 寒い日は、カイロと1枚多い上着。 東京都の「帰宅困難者心得10か条」には、「季節に応じた冷暖準備(携帯カイロやタオルなど)」があります。夜の試合のあとに外で待つことを考えて、かばんに入れておきます。
雷については、持ち物よりも動き方が大切です。気象庁は、グラウンドのような開けた場所では人に雷が落ちやすいとして、雷の音が聞こえたらできるだけ早く安全な場所へ移るよう呼びかけています。鉄筋コンクリートの建物の中は、比較的安全な場所です。スタンドの屋根のない席にいるときは、係員の案内に従って、建物の中(コンコースなど)へ移ってください。積乱雲による激しい雨や雷は、30分から1時間ほどで弱まることが多いとされています。
屋内の観戦で気をつけること
バスケットボールのアリーナやドーム球場では、席にいる間の雨具や暑さ寒さの備えはいりません。その分、行きと帰りの道に目を向けます。
このサイトで98会場のまわりを調べたところ、バスケットボール(B.PREMIER)の25会場のうち20会場で、会場のまわりに洪水の浸水想定がありました。建物の中にいても、帰り道が浸かれば帰れません。
- 大雨の予報が出ている日は、帰りの電車が止まる前提で、飲み物・食べ物・モバイルバッテリーを持っていきます。
- 屋内で停電すると、足もとが見えなくなります。小さなライトをかばんの取り出しやすい所に入れておきます。
- 冬の試合のあとに外で待つことを考えて、カイロか保温シートを1つ入れておきます。
競技ごとのちがい
持ち物のちがいは、競技そのものよりも「屋外か屋内か」で決まります。3つの競技を並べると、次のようになります。
| サッカー(Jリーグ) | 野球(プロ野球) | バスケットボール(B.PREMIER) | |
|---|---|---|---|
| 会場 | 屋外のスタジアム | 屋外の球場とドーム | 屋内のアリーナ |
| 雨具・暑さ寒さの備え | いる | 屋外の球場はいる。ドームは行き帰りの分 | 行き帰りの分 |
| 雷のとき | 建物の中へ移る | 屋外の球場は建物の中へ移る | 外へ出ずに待つ |
| 持ち込めないもの(リーグの決まり) | ビン・缶(中身は入口で紙コップに移す)、花火や発煙筒など | ビン・缶・アイスボックス、危険物など | 花火などの危険物、太鼓や笛などの楽器。入場口で手荷物検査がある |
| 調べた会場のうち、まわりに洪水の想定がある会場 | 61会場のうち31 | 12会場のうち7 | 25会場のうち20 |
| まわりの半分以上に津波の想定がかかる会場 | 5 | 3 | 6 |
持ち込めるものの決まりは、リーグの決まりに加えて、会場やクラブごとにもあります。飲み物の容器や大きなかばんの扱いは、行く前に公式サイトで確かめてください。
会場ごとの洪水・津波・高潮・土砂災害の想定は、スタジアム・アリーナのハザードで調べられます。応援しているクラブの会場と、遠征で行く会場を見ておくと、どの備えを厚くするかが決まります。
起きたときの動き方
持ち物よりも先に、動き方を知っておきます。
- むやみに動かない。 東京都は、大きな地震のときは「むやみに移動せず、職場、外出先等の安全な場所に留まりましょう」としています。会場では、場内放送と係員の案内に従います。
- 駅へ急がない。 内閣府は、大勢が一斉に駅へ向かうと危険な混雑が起きるとして、「駅に向かうのはやめましょう」と呼びかけています。動き出すのは、目的の駅まで電車が動いたことを確かめてからです。
- 揺れたら、出口に殺到しない。 首相官邸は、人が大勢いる施設では、あわてて出口や階段に殺到せず、係員の指示に従うよう呼びかけています。吊り下がっている照明などの下からは離れ、頭を守ります。
遠くの会場へ泊まりがけで行く日のことは推し活の遠征と防災に、地震のあとの最初の動きは地震直後の行動に、外出先で帰れなくなったときのことは職場での備えと帰宅困難にまとめています。
まず今日やること
- 観戦に使うかばんに、モバイルバッテリーと携帯トイレを1つずつ入れたままにする
- 次に行く会場をスタジアム・アリーナのハザードで調べる
- 一緒に行く人と、はぐれたときに待つ場所を決める