遠征の日は、ふだんと条件がちがいます。土地勘がない。泊まる場所も初めて。帰りの足は1本だけ。スマホには電子チケットと地図と連絡先がぜんぶ入っている。そこで大きな地震や大雨にあうと、家の近くで起きたときよりずっと困ります。
とはいえ、やることは多くありません。行く前に5分、かばんに少し。それだけで、当日のいちばん大事な用事に集中できます。
行く前に、会場と宿を調べる
知らない土地でいちばん足りないのは、場所の知識です。出発の前に、2つの場所だけ見ておきます。
会場。 このサイトでは、ライブや催しに使われる会場のまわりを、国のハザードマップで1つずつ調べています。
| 区分 | 調べた数 | まわりに洪水の想定がある | 津波か高潮の想定が、まわりの半分以上にかかる |
|---|---|---|---|
| ライブ・コンサートの会場 | 28か所 | 14か所 | 高潮8か所、津波2か所 |
| 展示場 | 10か所 | 2か所 | 高潮5か所、津波1か所 |
| 野外フェスの会場 | 8か所 | 2か所 | 高潮2か所 |
| 花火大会の会場 | 8か所 | 8か所 | 津波1か所 |
数字は順位ではありません。色が付いた会場が危ないという意味でもありません。「大雨の予報の日は、帰りの足を先に考える」「海のそばの会場では、高い場所への道を見ておく」というふうに、当日の動き方を1つ決めるための材料です。色が付かなかった会場も、安全という意味ではありません。地震は、どの会場でも起こります。
行く会場が決まっていたら、スタジアム・アリーナのハザードで名前を入れて探してください。スポーツの会場、テーマパーク、美術館、神社も載っています。
宿。 住所でハザード確認に、泊まる宿の住所を入れます。洪水、土砂災害、津波、高潮の想定と、近くの避難場所が出ます。同じ避難場所でも、災害の種類によって使えるかどうかがちがうので、○と×も見ておきます。
かばんに足すもの
遠征のかばんは、もう十分に重いはずです。足すのは小さいものだけにします。内閣府は、帰れなくなったときに備えて「普段からペットボトル、携帯電話の予備バッテリー、充電器、携帯ラジオなどを持ち歩きましょう」と呼びかけています。
| 足すもの | 遠征の日の使いみち |
|---|---|
| モバイルバッテリーと充電ケーブル | 電子チケット、地図、連絡、運行情報。スマホの電池が切れると、ぜんぶ止まる |
| 飲み物を1本、開けずに残す | 待つ間と、歩く間の分 |
| 小さな食べ物(あめ、チョコレートなど) | 売店や店が閉まったあとの分 |
| 携帯トイレ | 断水でトイレが使えないとき |
| 小さなライト | 夜公演のあとの停電に。スマホの電池を使わずに済む |
| 保温シート(アルミブランケット) | 夜に外や床の上で待つとき。軽くて、かばんの底に入る |
| いつも飲んでいる薬を、予定より多めに | 帰れない日が続いたときの分。東京都は、常用の薬を数日分余分に持ち歩くよう勧めている |
| 紙に書いた連絡先と、宿の名前と住所 | スマホの電池が切れても、たどり着けるように |
電子チケットは、会場に入る前に画面を保存できるかどうかを、公式の案内で確かめておきます。保存できないチケットなら、なおさら電池を残しておきます。
靴は、歩きやすいものを履いて行きます。歩いて宿まで戻ることになっても困りません。
観戦や公演の日の持ち物は、スタジアム観戦に持っていく備えにくわしくまとめています。
会場で揺れたら
首相官邸は、人が大勢いる施設で揺れたときは、次のように動くよう呼びかけています。
- あわてて出口や階段に殺到しない
- 係員の指示に従う
- 吊り下がっている照明などの下から離れ、頭を守る
席に着いたら、いちばん近い出口を1つだけ見ておきます。
海のそばの会場で、強い揺れや長い揺れを感じたら、津波警報を待たずに高い場所へ向かいます。会場の放送と係員の案内が先です。
屋外の会場、とくに河川敷では、その場で雨が降っていなくても、上流の雨で川の水位が急に上がることがあります(国土交通省)。天気が崩れそうな日は、主催者の発表をこまめに見ます。
帰れなくなったら
終演のあとに電車が止まった。そのとき、いちばんやってはいけないのは、全員で駅へ向かうことです。
- むやみに動かない。 東京都は、大きな地震のときは「むやみに移動せず、職場、外出先等の安全な場所に留まりましょう」としています。
- 駅へ急がない。 内閣府は、大勢が一斉に駅へ向かうと危険な混雑が起きるとして、「駅に向かうのはやめましょう」と呼びかけています。動き出すのは、目的の駅まで電車が動いたことを確かめてからです。
- 会場や宿の案内に従う。 とどまれる場所を案内されたら、そこで待ちます。
- 無事を伝える。 電話がつながりにくいときは、災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板を使います。使い方は安否確認の方法にあります。
夜行バスや最終の新幹線で帰る予定の日は、乗れなかったときにどうするかを、行く前に1つだけ決めておきます。宿に戻る、同行の人の宿に入れてもらう、朝まで待てる場所を調べておく、などです。
一緒に行く人がいるなら、はぐれたときに待つ場所も決めておきます。回線が混むと、会場のまわりでは連絡が取れなくなります。
旅先での動き方は帰省・旅行先で災害にあったらに、帰れなくなったときのことは職場での備えと帰宅困難にまとめています。
留守にする部屋のこと
遠征から帰ってきたら、棚のものが落ちていた。そうならないように、背の高い棚や飾り棚は固定しておきます。固定のしかたは家具固定の始め方にあります。寝る場所のそばの棚から始めるのがおすすめです。
まず今日やること
- 次に行く会場を、スタジアム・アリーナのハザードで探す
- 泊まる宿の住所を、住所でハザード確認に入れる
- 遠征に使うかばんに、モバイルバッテリーと携帯トイレを1つずつ入れたままにする