高層階の揺れは「長く、大きく、ゆっくり」
規模の大きな地震では、ゆっくりとした周期の揺れ(長周期地震動)が生まれます。気象庁は、この揺れについて「高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあります」「遠くまで伝わりやすい性質があり」、震源から数百km離れていても大きく揺れることがあるとしています。
高層階で怖いのは、家具が倒れることだけではありません。気象庁は「家具類が倒れたり・落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険があります」としています。滑って動くのが、高層階の揺れの特徴です。
揺れの大きさ(長周期地震動階級)と室内の様子
気象庁は、高層ビルでの揺れを4段階の「長周期地震動階級」で表します。解説表には次のように書かれています。
| 階級 | 人の体感・行動 | 室内の状況 |
|---|---|---|
| 1(やや大きな揺れ) | 室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる | ブラインドなど吊り下げものが大きく揺れる |
| 2(大きな揺れ) | 物につかまりたいと感じる。つかまらないと歩くことが難しい | キャスター付き什器がわずかに動く。棚の食器類、書棚の本が落ちることがある |
| 3(非常に大きな揺れ) | 立っていることが困難になる | キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある |
| 4(極めて大きな揺れ) | 立っていることができず、はわないと動くことができない | キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある |
階級3と4では、間仕切り壁などにひび割れ・亀裂が入ることがあるとされています。
「滑る」を止める備え
家具を固定する順番は戸建てと同じですが(家具固定の始め方)、高層階では次の点を足します。
- キャスターは必ず止める。 テレビ台、ワゴン、オフィスチェア、ピアノ、冷蔵庫。ストッパーをかけ、使わないときはロックする習慣にします。
- 滑り止めと固定を組み合わせる。 突っ張り棒だけでは、横滑りは止まりません。L字金具や粘着マットを併せて使います。
- 背の高い家具を寝室と出入り口から減らす。 移動してきた家具が扉をふさぐと、玄関から出られなくなります。
- ガラスに飛散防止フィルムを貼る。 食器棚の扉には開き止めを付けます。
- 吊り下げ式の照明を見直す。 大きく振られて落ちることがあります。
揺れている間と、おさまったあと
- 揺れている間は動かない。 階級3・4では立って歩けません。机の下に入るか、その場で頭を守ります。
- ベランダ・窓から離れる。 高層階は風も強く、ガラスの近くは危険です。
- エレベーターには乗らない。 揺れがおさまっても、点検が済むまで止まったままです。停電でマンションに起きること
- 玄関のドアを開けて出口を確保する。 建物がゆがむと開かなくなることがあります。
- 靴を履く。 割れた食器やガラスで足を切る事故が多く起きます。
家の中の安全を確かめる
揺れたあと、次のようなことがあれば管理会社・管理組合に伝えます。
- 玄関ドアや窓が開かない、閉まらない。
- 壁や柱にひび割れが増えた(階級3・4では間仕切り壁の亀裂が起きやすい)。
- 天井や配管から水が落ちてくる。スプリンクラーの作動や上の階からの漏水のことがあります。
- 廊下や階段に落下物があり、避難の妨げになっている。
まず今日やること
- キャスター付きの家具を1つ選び、ストッパーをかける。
- 寝室の背の高い家具を、倒れても寝る場所に届かない位置に移す。
- 食器棚の扉に開き止めを付ける。