停電すると同時に止まるもの
マンションでは、電気が止まると次のものが一度に使えなくなります。
| 止まるもの | 起きること |
|---|---|
| エレベーター | 階段だけになる。水や食料を運び上げられない。閉じ込めが起きることがある |
| 給水ポンプ | 受水槽が無事でも、上の階へ水が上がらず断水する |
| オートロック・自動ドア | 解錠の方法を管理組合で決めていないと出入りできない |
| 機械式駐車場 | 車を出せない。避難に車を使えない |
| 共用部の照明 | 廊下・階段・エントランスが暗くなる |
| インターホン | 各戸の呼び出しや、管理室からの放送が使えない機種がある |
在宅避難が前提になる一方で、生活に必要なものが同時に止まります。備蓄を7日分にする理由はここにあります。
エレベーターは「止まるのが普通」
2018年の大阪府北部地震(最大震度6弱)について、国土交通省は次の数字を報告しています。
- 保守されている197,029台のうち、約63,000台(32.1%)が運転を休止した。
- そのうち346台で閉じ込めが起きた。
- 故障・損傷が729件確認された。人身事故はなかった。
強い揺れを感じると地震時管制運転装置が働き、最寄りの階で止まってドアを開けます。停電でも止まります。問題はその後で、再び動かすには保守員による点検が要ります。地震のあとは道路の渋滞や通信の混雑で到着が遅れ、復旧に時間がかかります。
閉じ込められたときの行動
- かごの中の非常用ボタンを押し、インターホンで話す。 つながらなくても、繰り返し押します。
- 無理にドアをこじ開けない。 階の途中で止まっていることがあり、転落の危険があります。
- その場で待つ。 大阪府北部地震では、救出までの平均は約80分、約9割が約180分以内でしたが、最も長いものは約320分かかりました。
- 体力を保つ。 座って待ち、スマホは連絡用に節約します。
エレベーターに乗るときは、非常用のキャビネット(防災キャビネット)があるか見ておきます。 水・簡易トイレ・ライトが入っている備えで、東京都は「東京とどまるマンション」の登録マンションに購入費の補助をしています。
階段の上り下りを前提にする
高層階では、水1箱(2L×6本)を運び上げるだけで大仕事です。
- 買い置きを増やす。 運ばずに済むよう、水と食料は7日分を家に置きます。備蓄計算
- 持ち運びの道具を用意する。 リュック型のウォーターバッグ、キャリーカート、ヘッドライト(両手が空きます)。
- 懐中電灯を玄関と寝室に置く。 階段は窓のない造りが多く、日中でも暗くなります。
- 要配慮者を把握する。 階段を降りられない人がいる階を、管理組合で把握しておきます。
非常用電源という選択肢
管理組合で備えるなら、停電中にエレベーター1台と給水設備を動かすことを目標にします。東京都は「東京とどまるマンション」の登録マンションに、非常用電源(蓄電池・発電機)、太陽光発電設備、V2X設備の導入費を補助しています。エレベーターについては、閉じ込めを防ぐ「リスタート運転機能」や、早期に復旧させる「自動診断・仮復旧運転機能」の設置も補助の対象です。
国土交通省も、既存のエレベーターに自動診断・仮復旧運転機能を追加するよう呼びかけています。お住まいの都道府県・市区町村に同じような補助がないかは、防災の補助制度で確かめられます。
まず今日やること
- 停電時にオートロックをどう開けるか、管理組合の決まりを確かめる。
- 玄関と寝室に、電池式の明かりを置く。
- 水と食料を7日分そろえ、階段で運ばずに済むようにする。