備えのガイド › 過去の災害から学ぶ

東日本大震災から学ぶ 津波から逃げるということ

2011年3月11日の東日本大震災では、岩手・宮城・福島の3県で亡くなった人の90%以上が溺死でした。被災した約1万1千人への国の調査から、避難を早めたもの、遅らせたものを読み解き、今の備えにつなげます。

何が起きたか

2011年(平成23年)3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が起き、東北から関東の太平洋沿岸を大津波が襲いました。

項目 被害(消防庁、令和8年3月1日現在)
死者(震災関連死を含む) 19,787人
行方不明者 2,549人
住家の全壊 122,204棟

内閣府の防災白書によると、岩手・宮城・福島の3県で亡くなった人の死因は、90%以上が溺死でした。命を奪ったのは、揺れよりも津波でした。

国の調査からわかったこと

内閣府は、岩手・宮城・福島の沿岸に住む約1万1千人に、あの日どう行動したかを調べました。

調査の結果 割合
地震の直後に、津波が来ると意識した人 6割弱
大津波警報を見聞きした人 約6割
避難のきっかけが「揺れの大きさで判断した」だった人 5割弱
避難しようとしたができなかった人のうち、気づいたときには津波が迫っていた人 約6割
地震から津波が来るまでの間に、家族などの安否確認を試みた人 7割強
同じ間に、家族の様子を見に行ったり迎えに行ったりした人 約5割
当日の夕方までに、浸水した地域に戻った人 1割強
震災の前から「大きな揺れが来たらすぐ避難する」と決めていた人 約4割

教訓1 揺れたら、警報を待たずに逃げる

大津波警報を見聞きした人は約6割にとどまりました。停電や混乱で、警報が届かない人がいます。調査では、地震の直後に津波を意識した人ほど、揺れがおさまってから避難を始めるまでの時間が短いという結果が出ています。

海の近くで強い揺れや長い揺れを感じたら、警報を待たずに、すぐ高い場所へ向かいます。津波からの避難

教訓2 家族を探しに行かなくて済むように、先に決めておく

7割強の人が家族の安否を確かめようとし、約5割が家族の様子を見に行ったり迎えに行ったりしていました。家族を思う行動が、避難を遅らせることがあります。

教訓3 逃げた先で止まらない、戻らない

津波に巻き込まれた人のうち、1割強は避難した先で巻き込まれていました。最初に避難した場所から、さらに別の場所へ移った人も約4割いました。当日の夕方までに浸水した地域に戻った人も1割強いました。

教訓4 決めておいた人は、動けた

震災の前から「大きな揺れが来たらすぐ避難する」と決めていた人は約4割でした。調査では、過去の地震や津波の体験や教訓を知らなかった人ほど、揺れの最中やその直後に「どうしていいかわからなかった」と感じ、避難を始めるのも終えるのも遅い傾向がありました。

いざというときに考えている時間はありません。逃げる場所と道を、今のうちに決めておきます。

3月11日にやること

  1. 住所でハザード確認で、自宅・職場・学校の津波の浸水想定と避難場所を見る。
  2. 家族で「揺れたらその場から逃げる。迎えに行かない」と決め、集合場所を決める。
  3. 避難場所まで、実際に歩いてみる。夜や雨の日を想定して、明かりと雨具も確かめる。

11月5日の「津波防災の日」にも、同じ確認をしておくと安心です。

出典・参考
最終更新: 2026-09-19