作って食べるところまでが備蓄
備蓄の食品は、ふだんから食べて、食べた分を買い足す「ローリングストック」で回すと、期限切れを防げます。仕組みはローリングストック入門にまとめています。
食べ慣れていない非常食は、災害時にのどを通りにくいことがあります。月に一度、備蓄の食品だけで1食作ってみると、古いものから使えて、いざというときの練習にもなります。
農林水産省は、災害時でも「主食+主菜+副菜」のバランスを考えた食事が大切だとしています。ご飯やパンだけでなく、たんぱく質のとれる缶詰と、野菜や海藻の乾物も備えておきます。
水と燃料を節約するコツ
- ポリ袋で湯せんする(パッククッキング)。 耐熱性のポリ袋に材料を入れ、袋のまま鍋で湯せんします。湯せんに使った水は汚れないので、何度も使えます。袋ごと器に入れれば、器も汚れません。
- 袋の中で和える。 和え物はポリ袋の中で混ぜると、洗い物が少なく、衛生的に作れます。
- 缶の汁を使う。 乾物は、水の代わりに缶詰の汁で戻せます。汁の塩気と味がそのまま調味料になります。
- カセットコンロとボンベを多めに備える。 燃料の量は備蓄計算で確かめられます。電気が止まったときの備えは停電への備えにまとめています。
ポリ袋で湯せんするときの注意
- 袋は高密度ポリエチレン製で、耐熱性のあるものを使う。
- 鍋の底に耐熱の皿を敷き、袋が鍋肌に直接触れないようにする。 高温の鍋肌に触れると袋が破れることがある。
- 袋の空気を抜いてねじり、上の方で結ぶ。空気が残ると袋が浮く。
- 湯はふつふつと沸騰した状態を保つ。温度が低いと、食材に熱が通らず細菌が増えやすい。
- 取り出したら、袋を開けずに少し置き、余熱で蒸らす。
主食: ポリ袋で炊くご飯
株式会社明治が紹介している方法です。1袋で1合(茶わん2杯ほど)炊けます。
| 材料 | 量 |
|---|---|
| 無洗米 | 1合(150g) |
| 水 | 1カップ(200ml) |
- 耐熱の高密度ポリエチレン製の袋に、米と水を入れる。空気を抜きながらねじり、袋の上の方で結ぶ。
- 鍋の底に平たい皿を敷き、鍋の半分まで水を入れて、袋を入れる。
- ふたをして強火にかけ、沸騰したら中火〜弱火にして約20分加熱する。
- 火を止め、ふたをしたまま10分蒸らす。袋を開けて、そのまま食べられる。
無洗米なら米を研ぐ水がいりません。袋を2つ3つ同時に入れれば、家族の分を一度に炊けます。
主菜: サバ缶の炊き込みご飯
上のご飯の応用です。主食とたんぱく質を1袋でとれます。
| 材料 | 量 |
|---|---|
| 無洗米 | 1合(150g) |
| サバの水煮缶 | 1缶の半分と、缶の汁 |
| 水 | 缶の汁と合わせて200ml |
| しょうゆ | 小さじ1 |
- 袋に米、缶の汁と水(合わせて200ml)、しょうゆを入れ、軽く混ぜる。
- サバを上にのせ、空気を抜いて結ぶ。
- 「ポリ袋で炊くご飯」と同じように、約20分湯せんし、10分蒸らす。袋の上からもんで、サバをほぐす。
サバの代わりに、焼き鳥缶やツナ缶でも作れます。味の付いた缶詰を使うときは、しょうゆを減らします。
副菜: 切り干し大根とツナの和え物(火も水も使わない)
| 材料 | 量 |
|---|---|
| 切り干し大根 | ひとつかみ(15gほど) |
| ツナ缶(水煮) | 1缶(汁ごと) |
| しょうゆか、ポン酢 | 少々 |
- ポリ袋に切り干し大根を手で短くちぎって入れ、ツナを缶の汁ごと加える。
- 袋の上からよくもみ、20分ほど置いて切り干し大根を汁で戻す。
- 味を見て、しょうゆかポン酢で整える。
油漬けのツナ缶だと、切り干し大根がうまく戻りません。水煮の缶を使います。乾燥わかめやコーン缶を足すと、彩りと栄養が増えます。
汁物: 乾燥わかめとトマト缶のスープ
| 材料 | 量 |
|---|---|
| カットトマト缶 | 1缶 |
| 水 | 1カップ(200ml) |
| 乾燥わかめ | 大さじ1 |
| コンソメ(顆粒) | 小さじ1 |
- 鍋にトマト缶、水、コンソメを入れて温める。
- 沸いたら火を止め、乾燥わかめを入れて1〜2分置く。
体が冷えるときは温かい汁物がうれしいものです。トマト缶は野菜が不足しがちな避難生活で役に立ちます。
デザート: フルーツ缶とビスケット
フルーツ缶を器かポリ袋に出し、ビスケットを砕いてのせます。火も水も使いません。甘いものは、疲れたときや子どもが不安なときの助けになります。
月に一度の「備蓄ごはんの日」
- 月に一度、たとえば毎月1日を「備蓄ごはんの日」に決める。
- 期限の近い缶詰や乾物から選んで、1食作る。
- 使った分を買い足す。マイ防災ページに期限を登録すると、メールで知らせることもできる。
食品の選び方は非常食の選び方、必要な量は備蓄計算にまとめています。もっと多くのレシピは、農林水産省の災害時の簡単レシピにも載っています。
まず今日やること
- 家にある缶詰と乾物の期限を確かめる。
- 耐熱の高密度ポリエチレン製のポリ袋を用意する。
- 次の休みに、ポリ袋でご飯を1袋炊いてみる。