備えのガイド › すべての家庭

感染症がはやっているときの避難 インフルエンザの季節に決めておくこと

インフルエンザなどがはやっている時期に災害が起きたら、どこへ避難するか。避難所以外の避難先、熱やせきがあるときに避難所で伝えること、避難所でうつさない・うつらないための注意を、国の指針からまとめます。家族が寝込んだ数日を「小さな在宅避難」として備える考え方も。

この記事の内容(8項目)
  1. 感染が心配でも、危ない場所にはとどまらない
  2. 避難所だけが避難ではない
  3. いまのうちに決めておくこと
  4. 避難所で伝えること
  5. 避難所でうつさない・うつらない
  6. 持っていくもの
  7. 家族が寝込んだ数日は「小さな在宅避難」
  8. まず今日やること

厚生労働省が2026年9月29日に公表した第38週(9月14日〜20日)のインフルエンザの定点当たり報告数は、全国で8.48でした。前年の同じ週は0.80です。沖縄県(26.27)、東京都(15.21)、愛知県(15.12)などで多くなっています。最新の数字は厚生労働省のインフルエンザのページで確かめてください。

感染症がはやっている時期にも、台風や地震は来ます。そのとき迷わないように、避難のしかたを先に決めておきます。

この記事は病気の見分け方や治療を扱いません。具合が悪いときの判断は、医療機関や厚生労働省のインフルエンザQ&Aを見てください。

感染が心配でも、危ない場所にはとどまらない

いちばん大事なことから書きます。感染が怖いという理由で、浸水や土砂崩れのおそれがある家にとどまってはいけません。

津波は特にそうです。国の避難情報のガイドラインは、津波は突発的に発生するため、高台や津波避難ビルなどへ直ちに逃げることが基本だとしています。感染のことを考えるのは、身の安全を確保してからです(津波からの避難)。

避難所だけが避難ではない

国の避難情報に関するガイドラインは、避難を次のように説明しています。

「避難」とは、文字通り「難」を「避」けることであり、小中学校や公民館等の指定緊急避難場所に行くことだけが避難ではなく、それ以外にも安全な親戚・知人宅やホテル・旅館等の避難先に立退き避難したり、自らの判断で屋内安全確保をする等、様々な避難行動がある。

こうした避難のしかたは「分散避難」と呼ばれることがあります。人が集まる避難所を避けたい時期には、特に大事な考え方です。選べる避難先は3つあります。

  1. 自宅にとどまる(屋内安全確保)。住所でハザード確認で、自宅が浸水や土砂災害の想定区域に入っていないかを確かめます。入っていても、条件によっては家にとどまれます(洪水・浸水から逃げるで3つの条件を説明しています)。
  2. 安全な親戚・知人宅、ホテル・旅館。ガイドラインは、その場所と途中の道が安全かをハザードマップで確かめること、遠くにある場合は早めに移ることを求めています。
  3. 指定緊急避難場所・避難所。上の2つが使えないときは、ためらわずに行きます。

流行している時期こそ、1と2が使えるかを平時に確かめておく価値があります。

いまのうちに決めておくこと

避難所で伝えること

熱やせきがあるまま避難所へ行くのは、悪いことではありません。大事なのは着いたらすぐに伝えることです。

厚生労働省が避難所に掲示するために作った文書には、次のように書かれています。

嘔吐・下痢・発熱などの症状のある方はすぐに職員又は管理者等にお知らせください。

自治体向けの避難所運営のガイドラインには、感染症の人や疑いのある人が出たときの部屋を確保すること、専用のトイレを確保すること、避難所を換気することが、運営側の仕事として並んでいます。症状を伝えれば、ほかの人と分けて過ごせるよう配慮してもらえる可能性があります。伝えずに大部屋に入ると、その準備が使われません。

避難所で広がりやすい感染症として、厚生労働省はインフルエンザ、ノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などを挙げています。災害時は食中毒の危険も高くなります。

避難所でうつさない・うつらない

厚生労働省は、避難所での対策の考え方を「感染症に『自分がかからない』ように手洗いを、かかっても『他人にうつさない』ために咳エチケットなどを」とまとめています。避難所向けの資料から、避難者がすることを拾うと次のとおりです。

手洗い

咳エチケット

トイレ

食べ物

断水していると、手洗いとトイレの衛生は一気に難しくなります。水の確保は断水に備える、避難所の暮らし全体は避難所での生活と持ち物にまとめています。

持っていくもの

持ち出し袋に、次のものが入っているかを確かめます。避難所運営のガイドラインも、マスクや除菌用アルコールティッシュを衛生対策に必要なものとして挙げています。

流行期は、家にあるマスクや消毒用アルコールが減りやすい時期です。持ち出し袋の分まで使ってしまっていないか、あわせて確かめてください。

家族が寝込んだ数日は「小さな在宅避難」

感染症の流行は、災害への備えを見直すきっかけにもなります。

学校保健安全法では、インフルエンザにかかった子どもは「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」学校(幼稚園を含む)を休むことになっています(厚生労働省 インフルエンザQ&A)。その間は看病する大人も家を空けにくくなります。

家族のだれかが寝込むと、買い物に出にくい数日が生まれます。これは、災害のあと家から出られずに過ごす在宅避難とよく似ています。

ふだんから少し多めに持ち、使った分を買い足すローリングストックをしていれば、感染症のときにも災害のときにも同じ蓄えが役に立ちます。ふだん使うものを災害時にも役立てるフェーズフリーの考え方です。必要な量はわが家の備蓄計算で出せます。

まず今日やること

  1. 住所でハザード確認で、自宅が想定区域に入っていないかを確かめる。
  2. 泊めてもらえる親戚・知人の家を1軒決め、その家の安全も同じ方法で確かめる。
  3. 持ち出し袋のマスク、消毒用アルコール、体温計の残りを確かめる。
  4. 家にある食べ物と水で何日過ごせるかを数え、足りない分をわが家の備蓄計算で出す。
出典・参考
最終更新: 2026-09-30